【緊急】コロナ禍で介護サービスの変更を検討する前に注意したいこと

コロナ禍に翻弄される介護者

新型コロナウイルスの影響により、弊協会には介護だけでなく、仕事、生活そのものの環境が変わって、大きな影響が起きたとのご相談が増えています。

「感染症の不安から、母が週3回利用していたデイサービスを休んでいます。母は一日中寝ていることが多く、認知症の症状が進行したり、足腰が弱ってしまうのでは? と不安です」
「夫が休止していたデイサービスが再開するとの連絡が来たけれど、感染のリスクを考えると躊躇している」
「施設に入居している母に会えず、認知症の症状が進まないか? 私のことを忘れてしまうのでは? と考えると辛い」
「地元の施設に入居する父のことが心配でたまらない。こんなことになるのなら、もっと会いに行っておけばよかったと後悔で苦しい」

ご自宅で介護している方はもちろん、病院や施設で過ごしていらしゃるご家族のことについて心配し、悩んでいる方からのお声もたくさん届いています。

特に、介護サービス利用の中止や再開について迷っているとのお声が増えています。
他地域の施設や病院で集団感染が発生した、有名人の方や若い方が死亡したといったニュースを聞くと、いてもたってもいられなくなるのは当然です。不安になると、衝動的に行動したくなるものです。

サービスの利用を中止・内容変更を検討する前に、やってほしいことが2点あります。

地域に詳しい専門家と情報共有をする

「〇〇県の施設(病院)で集団感染が起きた」
「非常事態宣言が出され、自主的に休業を決めた介護事業所がある」
「倒産した介護事業所が増えている」

これらの情報は事実ではありますが、全国のすべての自治体、地域で起きていることではありません。もちろん、「私の住んでいる地域でも、いつ起こるかわからない!」と対策をとることも大事です。けれども、防衛対策にだけ意識を向けてしまうと、日常の生活がままならなくなります。

現実から目をそらせて「私は大丈夫!」と根拠なく楽観的になることもお勧めしませんが、冷静に自分が住む地域で何が起きているのか、情報を集めることが先決です。しかし、状況は日々変わります。個人で情報を収集するには限界があります。

情報を得るために、まずはケアマネジャーに確認をとりましょう。
ケアマネージャーは、担当している人や家族が突然困らないように、地域の動きや情報を得ようとしてくれています。例えば、お住いの地域での感染状況(感染経路が明確な感染者数、感染経路が追えない感染者数がどれぐらいいるのか)や、地域の介護事業所が新しく取り組んでいることなど、リアルタイムな情報を集めて対応を検討しています。

とはいえ、世界的な非常事態ですから、ケアマネージャーや介護事業所に質問をして、すぐに答えが返ってくる、対応してもらえるとは限りません。けれども、まずは「今このようなことで不安を感じている」とまずは相談し、「地域の状況はどうなっていますか?」と質問してみましょう。

全てのサービスを中止せず、様子を見ながら小さく変更する

身近で大規模感染が起こった、介護保険サービスが休業となった場合など、サービスを中止する以外に方法がない場合を除いて、サービス内容にいきなり大きな変更をすることはあまり望ましくありません。

なぜなら、急激な環境の変化は、要介護者だけでなく、介護者にとっても心身にストレスになる可能性が高いからです。特に認知症の方は生活のリズムが崩れることで、不安やストレスを抱えこいやすい特徴があります。感染のリスクだけを優先するあまり、要介護者、介護者ともに生活のリズムが崩れ、心身への悪影響が出て病状が悪化したり、倒れたりして生活そのものが破綻してしまうことは避けなければなりません。

リスクを減らしながら、正しく対応することが必要です。介護者自身の仕事や生活の変化や、変更することで介護負担がどのように変わるかのバランスを見ていく必要があります。

弊協会にご相談くださった方には、できるだけ急激な変化ではなく、利用回数や利用時間を減らすなど小さな変更を試してみて、その結果、何が起きるか様子を見ながら徐々に判断することをお勧めしています。

「小さな変更」を勧めている理由は、もうひとつあります。
今後、新型コロナウイルス感染の第二波、第三波が来る可能性があり、その場合は長期的な対応が求められるからです。今住んでいる地域で市中感染が起きていないのであれば、通常通り、あるいは頻度を減らして様子を見て、第二波、三波に向けて「余力を残す」ことに意識を向けていくことが、この非常事態を乗り越える重要な視点だと感じています。

現状は第一波の大感染は終息に向かっています。サービスの利用開始も次第に始まっていくでしょう。サービスの利用開始に不安を感じている人は、まずはケアマネージャーさんに相談することから始めてください。

20年以上、ひとりで介護をしていた私自身の経験から、そして、7年以上にわたって1000件を超える介護者からの相談を受けてきた経験から、ひとつだけ確実に言えることがあります。

それは「こんなこと人には話せない」「相談するほどのことではない」と考えているなら、それは、今すぐに相談するべき内容が含まれている、ということです。

「ケアマネさんも忙しいだろうし……」と遠慮して相談できず、一人で抱え込むことの方が、あなた自身と、あなたの大切な家族を危険な状態に陥れてしまうかもしれません。勇気を出して相談しましょう。

もし、ケアマネや周りの人に相談できない、言えないと苦しい気持ちを抱えておられたら、ぜひ、弊協会の介護相談お問い合わせフォームからご相談ください。

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